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『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』4月度 

23.03.28

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』4月度 致知出版社

本書の「あとがき」の読者の感想文はとても共感しました。

・「心が熱く」なり、仕事に向き合うエネルギーをいただいてます。

・勇気とたくさんの気付きを頂き、一生大切にできる本だと感じている。
・眠りに入る前に枕元に来て人生の何かを講義してくれる一冊。
・食事は体を作るものとしたら、本書は心の栄養となるもの。

4月度の中から私の心を熱くした3名のお言葉を紹介させていただきます。





以下、『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』致知出版社より


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一、使命、懸命、宿命
柏木哲夫 金城学院大学学長


私には自分の人生を動かしていく三つの言葉があります。それは使命、懸命、宿命という
言葉です。使命というのは、作家の三浦綾子さんが亡くなる前にテレビの取材で言われていて、
すごいなと思った言葉なんです。
三浦さんは、「使命というのは命を使うと書くでしょう」とおっしゃるんですね。
「私は小説を書くことが自分の使命だと思っているので、死ぬまで小説を書き続けます。
いま私は体を病んでいますから、小説を一冊書いたらクタクタになって、ああ、命を使ったなと
実感するんです。けれども、小説を書くということは自分にとって命を使うことで、それが使命なので、
その使命を全うしたいと思います」と。この話を伺って、使命というのは命を使うということなんだと
教えられました。

それからしばらくして、今度は瀬戸内海のある小さな島で診療所をやってこられた老いた医者のことを
知りました。七十五歳ぐらいですがまだお元気で、医療に恵まれない島の人たちのために自分の一生を
捧げようと懸命に働いてこられたそうなんです。
その方のことを知った時、懸命というのは命を懸けることなんだな、と思い至りました。
その方は、自分の医師としての仕事に命を懸けてこられた。周りの人は、こういいかげんに都会に戻って
のんびりしたらどうかと言うけれど、自分はここに骨を埋めるつもりです。それが私の宿命だと思います、
と言われるんです。
普通、宿命というとなんとなくネガティブな感じがありますけれども、そのお話を聞いて、宿命と
いうのは命が宿ることなんだと私は思ったんです。
命を使い、命を懸けて、その結果命が宿るような人生を送る。そんな生き方ができたらすごいな、
と思うんです。


若い頃、運命と宿命の違いは何なんだろうか、と考えた時、宿命は例えば日本人の男子として
生まれたように、自分では変えられない事であり、運命は自分の考え方、生き方次第で変える事が
出来るものではないか、と考えていました。柏木さんのおっしゃる命を使う「使命」、命を懸ける
「懸命」の生き方の結果「命が宿る」という考え方に「宿命」の概念が変わりました。






二、妹は私の誇りです
山元加津子 石川県立小松瀬領養護学校教諭

お姉さんの結婚式には、お姉さんに浴衣を縫ってあげようと提案しました。でもきいちゃんは
手が不自由なので、きっとうまく縫えないだろうなと思っていました。けれど一針でも二針でも
いいし、ミシンもあるし、私もお手伝いしてもいいからと思っていました。けれどきいちゃんは
頑張りました。最初は手に血豆をいっぱい作って、血をたくさん流しながら練習しました。
一所懸命にほとんど一人で仕上げたのです。とても素敵な浴衣になったので、お姉さんのところに
急いで送りました。するとお姉さんから電話がかかってきて、きいちゃんだけでなく、私も結婚式に
出てくださいと言うのです。

お母さんの気持ちを考えてどうしようかと思いましたが、お母さんに伺うと「それがあの子の
気持ちですから出てやってください」とおっしゃるので、出ることにしました。お姉さんは
とても綺麗で、幸せそうでした。でも、きいちゃんの姿を見て、何かひそひそお話をする方が
おられるので、私は、きいちゃんはどう思っているだろう、来ないほうが良かったんだろうかと
思っていました。そんなときにお色直しから扉を開けて出てこられたお姉さんは、驚いたことに、
きいちゃんが縫ったあの浴衣を着ていました。一生に一度、あれも着たいこれも着たいと思う
披露宴に、きいちゃんの浴衣を着てくださったのです。そして、お姉さんは旦那さんとなられる方と、
マイクの前に立たれ、私ときいちゃんをそばに呼んで次のようなお話をされたのです。

「この浴衣は私の妹が縫ってくれました。私の妹は小さいときに高い熱が出て、手足が不自由です。
でもこんなに素敵な浴衣を縫ってくれたんです。高校生でこんな素敵な浴衣が縫える人は、いったい
何人いるでしょうか。妹は小さいときに病気になって、家族から離れて生活しなければなりません
でした。私のことを恨んでるんじゃないかと思ったこともありました。でもそうじゃなくて、私の
ためにこんなに素敵な浴衣を縫ってくれたんです。私はこれから妹のことを、大切に誇りに思って
生きていこうと思います。」

会場から大きな大きな拍手が湧きました。きいちゃんもとてもうれしそうでした。お姉さんは、
それまで何もできない子という思いできいちゃんを見ていたそうです。でもそうじゃないと
わかったときに、きいちゃんはきいちゃんとして生まれて、きいちゃんとして生きてきた。
これからもきいちゃんとして生きていくのに、もしここで隠すようなことがあったら、
きいちゃんの人生はどんなに淋しいものになるんだろう。この子はこの子でいいんだ、
それが素敵なんだということを皆さんの前で話されたのです。きいちゃんはそのことがあってから、
とても明るくなりました。そして「私は和裁を習いたい」と言って、和裁を一生の仕事に
選んだのです。


年を重ねたからなのか最近とみに涙腺が緩くなってしまい、家族に
冷やかされもしますが、このお話を読んだ時の涙は何か違うように感じました。悲しい涙、
淋しい涙では勿論ありませんが、嬉しい涙とも違うように思います。心が熱くなるような感激の
涙と表現するのが一番近いのでは・・・!



三、商売の極意は熱と光を相手に与えること
田中真澄 社会教育家

私たちは皆個人企業であり、一人ひとりが人生の経営者です。定年や退職というのは人間社会が
決めた単なるルールにすぎず、本来定年も退職もないのが人生というものです。
ところが、現役時代はビジネスの第一線でばりばり活躍していた人が、定年とともに人生の目的を
見失ってしまうというケースがとても多いのです。
退職する前後、「これからはゴルフや旅行などで第二の人生を満喫しよう」と意気揚々だった
人たちも、一年、二年と経つうちに、何とも言えない虚しさに襲われるようになります。最近でも
高校の同窓会に参加した友人が「田中君、毎日が退屈で退屈で死にそうだよ」と
ぼやいていましたが、彼に限らず多くの人たちの実感なのだと思います。

サラリーマンは退職と同時に「所属価値」を失ってしまいます。大企業の権威をバックに肩で
風を切る勢いだった人も、会社の社員という所属価値を失ってしまえば、誰からも相手に
されなくなるものです。その時、問われるのが「存在価値」です。言い換えれば、「どこの企業の
どういう肩書の方ですか」から、「あなたには何ができますか」という問いへの答えが求められる
のです。これからの人生百年時代を生き生きと生き抜くうえでは、自分自身の「生き方革命」が
とても重要になってきます。

私に存在価値の大切さを気づかせてくれたのは父でした。父は元軍人で私たち一家は戦後、いまの
韓国・釜山から日本に引き揚げてきました。ところが、日本が独立するまでの六年半、父は
パージによって公職に就くことができず、過酷な行商で家族の生活を支えたのです。日本国内が
食べるものに事欠いていた頃までは、行商でもなんとか食い繋いでいけましたが、物が豊かに
なるにつれて厳しさは増していきました。それでも父は決して行商をやめようとせず、朝早くから
夜遅くまで人の二倍、三倍、汗水流して黙々と働きました。私はそういう父の後ろ姿をとおして、
「人間は命がけで打ち込めば生きられるのだ」と教えられたのです。

父は軍人だっただけに商売には全く不慣れでしたが、ある人からこう教わったそうです。
「田中さん、商売というのは簡単なんだよ。太陽のように生きればいいんだ。太陽は二つのものを
人に与えてくれる。一つは熱。熱意をもって人に接すれば、その熱は自然と相手に伝わる。
もう一つは光。光を与えて相手を照らし、関心を持ってその人の存在を認めてあげることが大事
なんだ」
父は生前、「俺は商いのことは何も知らないが、この二つだけは心の支えにしてきた」と私に
話していました。私が個業家(個人事業主)になったのも、そんな父の影響です。これまで
有料の講演会だけでも六千五百回以上も行ってきましたが、私が伝えたいメッセージを凝縮
すれば、父から教えられた「熱と光を相手に与えよ」に尽きるように思います。

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「所属価値」ではなく「存在価値」を高める「生き方革命」が、65歳以上の高齢者の割合が30%に
迫った日本の緊急の課題ではないでしょうか。
その「生き方革命」を支える「健康寿命」の延伸に役立つ製品を開発することが当社の使命と
考え、それらの製品の普及に熱意をもって、多くの人々に光を与えられるよう懸命に取り組ませて
いただくことが宿命となるような会社を目指したいと思います。