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1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書 5月度

22.03.29

「一流 プロフェッショナル、365人が贈る 仕事のバイブル」

繰り返し味わいたくなる感動がある。
繰り返し口ずさみたくなる言葉がある。


昨年10月に引き続き、本書365人の5月度のお話しの中から、
コロナそしてウクライナ危機という死中の今、私の心に
響いた言葉をご紹介させて頂きます。





1.成功する人は脳に何をインプットしているのか
西田文郎 サンリ会長

世の中には大きく分けて二種類の人間しかいません。どうせ自分なんて
こんなものだよと思って生きている「否定的錯覚型」と、
本田宗一郎さんのように、小さな町工場の親父であってもみかん箱の上に
乗って、「世界のホンダになる!」と叫んでいるような「肯定的錯覚型」。
たとえ何回躓いても「次はできる、自分はできる」と、そういう錯覚が
ずーっと続かない限り、絶対に成功者にはならないんですね。
だから、要するに成功者とは何かといえば、常識で考えれば99%は無理だと思われることを
「絶対にできる!」と思っている、ただの”アホ”なんです。
私は、仲間の経営者の方々と集まって夢を語り合う「アホ会」というのを長いことやらせて
いただいているんです。アホの定義は、「不可能なことはない!」と思っていること、
そして人を喜ばせることが大好きなこと。だから当日会場にきたらマイナスな言葉は一切禁止
にして、仲間がどんなとてつもない夢を語っても「おまえらならできる!」と言わなきゃいけない。
アホ会では「あんたは日本一のアホだ」と言われると、みんな大喜びです。


一部上場企業の社長もたくさんいます。
最近でこそイメージトレーニングが重要だということは十分認知されていますが、
僕は1970年代から取り組んできました。
当時日本の有名大学に「参考になるような話を聴きたい」と電話をしましたが、
脳の病の研究はしていても、機能研究はやっていなかった。だから本当に手探りで始めて、
最初の8年間は失敗ばかりでした。しかしその間、何十万人という方々のデータをいただき、
それが後の大きな財産になったんですね。
皆さんに必ず何項目かの設問に答えていただくのですが、育ちも生まれも仕事も違いますから、
当然違うところに〇をつけるわけです。ところが、成功している人はみんな同じところに〇をつけている。
その一つが、
「自分には運があると思う」
というところだったのです。ああ、そうかと。脳は10万台のパソコンよりも高性能ですから、
脳に「自分は運がある、ツイている」というソフトが組み込まれていれば、目標をインプットすると、
こうしたらできる、ああしたらできると、「できる」ことばかりがイメージとして浮かんでくるんです。
そういう状態であれば、確かにイメージトレーニングも効果的です。
しかし、脳に「ツイていない」というソフトが組み込まれていると、過去の体験から「できなかった」
「やっぱり無理」といったトラウマばかりが検索され、できない姿ばかりがイメージされる。
だから成功するには、まずは脳を「自分には運やツキがある」というソフトに替えないといけない。
そのことに気がついたのです。
本当に優秀な人たちには、共通して運を感じる力「運感力」というものがあるんです。で、運があると
感じている人間は、根拠のない自信を持っているんです。根拠があれば自信なんて誰でも持てますから。

いつ頃からか「私は運が良い」と思うようになっていました。
来月には後期高齢者となりますが、年を重ねる毎にその思いは強くなっております。
周りの人からも私はよく、
「良い人とめぐり逢える運が強い」と言われておりました。
確かに、良い人との出合いは、努力したら叶う事ではありませんから、やはり「私は運が良い」としか思えません。
では、どうしたら運が良くなるのでしょか?
私は「良い事も、悪い事もない!すべての事に感謝できる心」が大切ではないかと思っております。



2.知恵を富に換えるのが仕事
林野宏 クレディセゾン社長

結局、成功するために何が必要かと考えてみると、自分が夢中になれることを仕事にするか、
与えられた仕事に夢中になるか、しかないんですね。大多数の人は後者でしょうから、
やはり自分で努力して仕事に喜びや楽しみを見出したり、会社を好きになることがまず必要です。
そして学校で教育をうけたり、本を読んだり、人からいろいろなことを教わったりして得た知識。
そういう知識、情報、経験を、「知恵」に置き換えるわけです。そしてアクションを起こすことに
よって、その知恵を「富」に置き換えるプロセスを、私は仕事と呼ぶのだと思います。
いくら知恵をつけても、それをお金に換えるところまでやらなければ仕事とはいえません。

それで、大半の人は人間の能力を頭の良し悪しだと考えてしまいがちなんですが、
そんなことは全然関係がない。私が思うに能力とは、目標を達成するために
「情熱を持続させる力」なんです。
一枚でも多くカードを獲得するにはどうしたらいいか、と何につけても考える。
セゾンカードにはこういう特典があって、デザインはこうだとか、お客様から見た時の
お得な印象・・・・、割引が付いているとか、ポイントに有効期限がない、といった要素によって
カードが選ばれていくわけです。自分が使うなら、サインレスだったらいいな、とか。
ところが、サインをするのが業界の常識だし、サインレスなんてしたら「俺は使ってないよ」
と後で言う人が出てきて大変なことになるぞ、と大騒ぎする人がいる。

実際に私もサインレスの導入時、同業他社や弁護士から呼び出しを食らい、
「何を考えてるんですか!?」と言われました。でも「顧客数を拡大して取扱高を増やせば
そのリスクは防げるし、むしろお釣りがくるくらいだ。お客様の利便性が図られて
こんなにいいことはない」と譲りませんでした。
反発されるのは、あくまでも業界の中で平準化された事柄なんです。これを壊す。
だから資本主義の本質とは、「創造的な破壊だ」と思うんです。お客様にとっての
利便性が図られることならば、それを阻止する規定や固定概念はすぐに壊してしまった
ほうがいいと思います。


私は縁があって医療業界に職を得て、その後必要に迫られて製品開発に携わるようになり、
それが今では天職とさえ思えるようになりました。私が製品開発の際に一番大切にしているのは、
自分が患者の立場になった時に、その製品を使用したいと思うか?どうかです。
林野社長がお客様の利便性を第一に考えて、業界の常識や固定概念に囚われずに
果敢にチャレンジする精神を私はこれからも大切にして行きたいと思います。



3.人生はあなたに絶望していない
永田勝太郎 公益社団法人国際全人医療研究所 理事長

ある時大病を患って、突然歩けなくなってしまったんです。何だろうと思っているうちに
立つこともできなくなって寝たきりになり、ベッドのそばにあるトイレにすら自分の力では
行くことができなくなりました。薬の副作用のため、抹消から筋肉が萎縮し、力が抜けていく
という病気でした。
そういう状況の中で、頭の中では何を考えていたかというと、人間は死を受容できるのか
ということでした。自分が間もなく確実に死ぬと思っていましたから、毎日毎日天井を
見ながらそのことばかりを考え続けました。ただその時に、あの世はあるかということは
思わなかった。自分がもし万が一生きられたらって、いつも思っていましたね。
つまり、死んだらどうなるかということよりも、生き延びることができたら、自分の人生を
何に使おうかと考えたわけです。だから僕も楽観的だったと思うんですが、散々悶々と考えた
揚げ句に出た結論は、俺は死を受容できないということでした。受け入れられないから、
もし死んだら化けて出るだろうと。だったら生きるしかないだろうと思うようになったんですね。

ところが病状は日に日に悪化し、ペン1本すら重たくて持てない。眠るたびに酷い悪夢に襲われ、
全身汗だくになって目が覚める。僕が倒れたのはヴィクトール・E・フランクル先生が亡くなった
翌年の一九九八年だったんですが、僕はとうとう彼の奥さんにこんな手紙を書きました。
「エリーさん、さようなら。僕はいま死ぬような大病を患っているんだ。
もう二度とウィーンの街を歩き回ることもないだろう。これから先生の元へ行きますよ」
そしたらエリーさん、慌てて返事をくれましてね。
「あなたがそんな病気でいるなんて、とても信じられない。私は医者ではないから、
あなたに何もしてあげることはできない。けれども生前、ヴィクトールが私にいつも
言っていた言葉をあなたに贈ろう」

この言葉が僕を蘇らせてくれたんですね。
「人間だれしもアウシュビッツ(苦悩)を持っている。しかしあなたが人生に絶望しても、
人生はあなたに絶望していない。あなたを待っている誰かや何かがある限り、あなたは
生き延びることができるし、自己実現できる」
この手紙を僕は何百回も読み返しました。そうして考えたのは、いまの自分にとっての
生きる意味とは何だろうということでした。そして考え続けた結果、「あなたを待っている
誰かや何か」の焦点は私にとっては医学教育であり、生きる意味は探せばちゃんとあるのだと
感じたんです。
それから私はよし、と気合を入れ直してリハビリに専念し、毎日鍼治療も受けました。
さらに漢方薬や温泉療法なども行って、二年後には奇跡的に職場復帰まで果たすことが
できたんです。エリーさんのあの言葉がなかったら僕はいまここにいませんよ。

先月の「会長の思い」でご紹介させて頂いた田坂広志さんは32歳のとき、
医者から「もう長くは生きられない」と宣告されましたが、ある禅師の
「人間、死ぬまで命はあるんだよ!」
「過去は無い。未来も無い。有るのは、永遠に続く、いまだけだ。
いまを生きよ!いまを生き切れ!」という言葉が胸に突き刺さり、
そのように生きようと覚悟を定めた瞬間、病を超えられたそうです。
永田さんは「あなたを待っている誰かや何か」に気づかれて、
奇跡的に職場復帰まで果たすことができました。
お二人に共通する言葉が「死中活あり」ですね!