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いまこそ感性は力 人間力は感性から生まれる

20.11.26

「国難襲来す。国家の大事といえども深憂するに足らず。
深憂とすべきは人心の正氣(感性)の足らざるにあり」
(藤田東湖が吉田松陰に授けた教えである。)

いま将に幾多の困難が日本に襲いかかっている。
国家崩壊の危機さえささやかれ始めた。
しかし近年亡くなったP・F・ドラッカーは、日本という国は
「世界最強の問題処理民族」であると指摘する。
確かに日本人は大化の改新、建武の中興、蒙古の襲撃、明治維新、
第二次世界大戦処理などなど、幾度も国難を克服してきた。
だから日本人はこれきしの危機を乗り切れないはずはない。
では、日本蘇生の強烈な武器とは何か。

「天下のこと万変(激動・激変)といえども、吾がこれに応じて
生き残れる所以は喜怒哀楽(すなわち感性)の四者を出でず。
これすべての学の要にて政も須くそのうちにあり」(王陽明)

感性こそ盲目社会を(一寸先は真っ暗闇)を生き抜く最強の力であり、
人間に希望と勇気を与える最高の力である

・・・・・『いまこそ、感性は力』まえがき より (行徳哲男/致知出版社)


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本書の一部を紹介させていただきます。

「力のない学問は本物じゃない。思風先生の感性の哲学には力がある。
感じ方の哲学であれば考え方、つまりイデオロギーに勝てる。
イデオロギーでは人類は救えない。」 行徳

”イデオロギーとは:物事に対して歴史的、政治的な自分の立場によって
構築された考え方のことである。”






11月17日、北海道の鈴木知事は道民に対し、感染のリスクを避ける対策が
とれない場合、
・札幌市内での不要不急の外出を控えることや、
・札幌市と道内のほかの地域との行き来を控えるよう要請し
協力を求めました。

「公衆免疫強靭化論~菅政権への提言」の著者 藤井聡(京都大学大学院教授)
によれば、鈴木知事の振る舞いは、「最悪の振る舞い」と言って然るべきもの
と言われています。
鈴木知事の振る舞いを一言で関西弁にて評価するなら
「エエカッコしいがイチびって自粛要請出した」というだけの話しです。
(注:標準語に翻訳すると「バカがフザケて、人様によく見て貰おう
というだけのセコイ動機で自粛要請を出した」という意)

そう判断された理由の一部です。

第一:この自粛要請時点での北海道のコロナ重症者数は僅か18名なのですが、
 たったそれだけの人数で医療崩壊の危惧が目前に迫っているのは
 偏にコロナ対応病床を増やす努力を鈴木知事がやっていなかった事が
 そもそもの原因。

第二:自粛要請は「高リスク項目」からにすべきなのです。
 1.「対象者」としては、より重症化・死亡リスクの高い
 「高齢者」や「基礎疾患者」の自粛要請を優先すべきであり
 2.活動としては、感染リスクの高い「目鼻口を触る事」や
 「複数人が集う場所で喚起しない事」という行為の
 自粛要請を優先すべき、なのです。

 それにも関わらず、重症化・死亡リスクの低い若年層や、
 感染リスクの高くない通常の買い物や公共交通利用等の
 行為まで自粛要請をかけても、医療崩壊リスク、死亡リスクの
 低減にはほとんど寄与しない一方で、ただただ経済が悪戯に
 傷付けられるだけに終わるわけです。

第三:重症者数が18名という程度の感染拡大状況で
 「不要不急の外出の自粛要請」を出すという知事の振る舞いは
 他の都道府県知事に対しても、同程度の感染拡大状況でも
 激しく自粛要請せねばならない(しかも、今以上に感染が
 減らないと解除できない)という強烈なプレッシャーを
 与えることになり、「自粛ドミノ」の全国的な連鎖を容易く
 誘発してしまうことになります。

そうなれば、再び日本経済全体が激しく傷付き、国民所得の下落と失業率の増大、
そして、今まさに急拡大している「自殺者数」がさらに加速していくことになります。

政治的な自分の立場によって構築された考え方(イデオロギー)の、政府および
地方自治体の首長の言葉と共に、それに呼応するかのように感染者数は報道しても、
重症者数、ましてや自殺者数などほとんど報道しない偏った新聞、テレビ、ラジオ等
限られたマスコミからの情報だけに踊らされることなく、いまこそ感性を力として
コロナ禍という危機を乗り切っていきたいと思います。