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江戸文化と聞くと何を思い起こしますか?

19.12.04

14年目の澤田先生の合宿セミナー、今回の会場は上野動物園のすぐ近くの水月ホテル鷗外荘。
ホテルの中庭には、森鴎外の居宅が大切に保存されていました。



澤田先生もお話しされましたが、小説家、翻訳家としての森鴎外は「舞姫」「雁」「山椒大夫」「高瀬舟」
などと高名ですが、軍医としては「脚気栄養障害説(ビタミンB欠乏症)」を認めなかったため、
日露戦争では陸軍で25万人の脚気患者が発生し、約2万7千人が死亡してしまいました。

日本で脚気の原因が栄養にあることが認められたのは海外の研究の結果であり、海外での成果が確定すると
脚気細菌説の支持者は一斉に手のひらを返したそうです。

このような問題が今だに日本では多々発生している現実を思うと残念でなりません。

今回のセミナーの資料は100ページを越えますが、その中で私の心に残った部分をご紹介させていただきます。
澤田先生のお話はとても興味深く、又わかり易く解説していただきました。




日本の総人口は江戸期を通じ3千~3千百万人。
1945年(太平洋戦争終戦)時点で7,220万人。
現在は1億2,614万人。
戦後70年で54万人も増加しています。


町人地(15.8%)に55万人(43%)の町人が
生活していたのですね!
80%以上が緑だったなんて今の東京からは
想像もつきません。


「花魁」は文化の最先端だったのでしょうか?


1番目の大化(645~650年)から始まり、近代といわれる明治が247番目、
令和が251番目になります。





子・丑・寅は知っていましたが、季節により昼と夜の長さが違っていたなんて
全然知りませんでした。





4月1日生まれは前学年に属することが、明治35年の法律で決まったなんてビックリです。
「日没を一日の始まりとする」という決まりで、24日がクリスマスイヴなんですね!
私は誕生日の前日のお祝いと思い込んでいました。





江戸時代に現代の食文化の基礎が出来上がったのですね。
寿司屋の「2個で一貫」が今では「一貫」が「1個」に変わってしまいました。





わずか20年間で江戸湾のハマグリが5,000トンからゼロになってしまったとは
改めて驚きですね。
文明が発展したのか後退したのか、改めて考えさせられました。





三行半から奉行所の看板、江戸は現在よりもはるかに治安が良かったなんて
思い込みの多さにただ反省です。
歴史は勝者の記録とよく聞きますが、資料が無いことは「なかったこと」
また、テレビや映画の刷り込みの恐さを思い知りました。





19世紀の大都市で河川に下肥を流していなかったのは江戸だけなんて!
1629年には神田上水、1654年には玉川上水、
と江戸の上水道設備・リサイクル制度を含めた都市計画は凄いですね。



◎鎖国とキリシタン禁制


先頃、ローマ教皇が日本を訪れて、広島、長崎を訪問しましたが、
キリスト教徒はこのような歴史を知っているのでしょうか?





いかがですか。私たちが学校で習った時の印象とはだいぶ違っていませんか?
鎖国とキリシタンを禁制した江戸幕府に感謝していたいような気持になりませんか?
江戸時代を改めて見直してみたいと思いました。





◎澤田先生のお話の締めくくりです。





澤田先生の深い見識を学び、改めて
考えさせられるセミナーでした。
最後に、先生は「江戸時代には戻れ
なくてもせめて昭和30年代に戻れば
地球は存続できるのでは」
と結ばれました。