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もうひとつの金メダル

16.09.13

リオ五輪女子レスリング銀メダリスト、吉田沙保里選手に関しての、
中日新聞(8月20日付)の社説の一部を紹介させていただきます。

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『58キロ級の伊調馨は、史上初の個人四連覇を歴史に刻み、
初出場の若手三人が金メダル。その陰には53キロ級吉田沙保里の
”伝導者"としての努力があった。四年後も楽しみだ・・・。
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六階級に増えたリオ五輪女子レスリングの代表六人はすべて
至学館大学の卒業生か在学生だ。
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まだ「女子がレスリングなんて」と言われた時代。
「男女を問わず選手個人の自主性を尊重し、それでいて仲間の絆も強い、
理想の学生スポーツを思い描いた」
と、日本レスリング協会の副会長も務める学長の谷岡郁子さんはリオで振り返る。
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サオリはいわば、その理想の体現者。厳しい練習の輪の中に常にサオリの姿があって、
誰よりも激しく動いている。階級の違う選手にも気軽に胸を貸し、”女子力”も伝授する。
”絶対女王”のイメージとは程遠く、後輩たちはサオリを慕い、サオリを追いかけ、
そして強くなっていく。
世界の選手層が厚くなってきた中で、五輪初出場の若手三人が堂々金メダルを獲得した。
それぞれ半分ずつはサオリで取らせてもらったメダル、
選手たちは、サオリもリオの金メダリスト、と信じているという。
アテネ五輪で、勝ったサオリが栄和人監督を肩車して場内を沸かせて以来、
監督の肩車は今や勝者のルーティーン。
しかし、川井梨沙子も土性沙羅も登坂絵莉も、”サオリの肩車”があってこそ
表彰台の一番高みに上れたことを知っている。
連覇は途切れた。サオリは敗北の悔しささえも伝えられる人になったのだ。
肩車はより強固になって続いていくに違いない。』

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先日、栄監督ご夫妻と、吉田沙保里さんと食事をご一緒させていただきました。
その際、沙保里さんから監督の奥様に送られたLINEのお話をお聞きしました。

沙保里さんはLINEの中で

”私が元気がないと金メダルを取った後輩たちが喜べないからね”

と、気遣いされ・・・

”リオのオリンピックでは、負ける悔しさも経験でき、貴重なオリンピックになったよ!
笑顔で日本に帰ります!!”

そして、最後に

”銀メダルだけど、新鮮で大好きです”

と結ばれたそうです。

栄監督は、
「沙保里は本当に後輩想いの先輩です。沙保里が後輩に信頼されるはずです。」
と、しみじみおっしゃっていらっしゃいました。

今後も、至学館大学女子レスリング部を心から応援させていただきたい、と思いました。